心霊スポット 怖い話 和歌山県 高野山

高野山での恐怖体験

和歌山県伊都郡高野町高野山……それは、比叡山、そして恐山と並び称される、
「日本三大霊場」の一つである。

 

古くから霊場として、多くの者の墓地が存在する場所だが、
そのぶん「念」も多いのか、怪異な話には事欠かない。

 

以下は、わたしの体験談です。

 

学生時代、高野山に旅行に行ったことがあった。

 

高野山に知人がいたので、そこに泊めてもらった。

 

よもやま話などをしていたが、
深夜遅くまで話し込んでしまい、気が付けば午前二時。

 

「もう寝よう」

 

そう言って眠りに就いた。

 

それぐらいの時間が経ったのだろうか。
なんだかわたしは寝苦しくて、目が覚めた。

 

すると。

 

「……ギャー……ギャー……」

 

聞こえるのだ。微かに。

 

何やら「悲鳴」のような声が。

 

(あれは……)

 

じっと耳を澄ますと、確かに聞こえる。

 

高音の声。そう、何やら「子供の悲鳴」のような……。

 

わたしは跳ね起きようとした。が。

 

(これは!)

 

わたしは唖然とした。

 

(起きられない!)

 

体が動かないのである。

 

まったく動かなかった。いくら動かそうとしてもダメ。

 

わたしは隣で寝ている友人を呼ぼうとした。

 

が。

 

(こ、声が……!)

 

わたしは暗闇の中、自分の声が出せないことに愕然とした。

 

「声」は一向に止む気配がない。

 

「こわい……こわい……ギャー……ギャー……」

 

子供が助けを求める声だ。間違いない。

 

けれどわたしにはどうすることもできない。

 

わたしは耳を塞ぎたかった。しかしそれもかなわないのだ。

 

いつの間に眠ってしまったのか……わたしは朝のさわやかな空気の中で目覚めた。

 

体も動くし、声も出せるようだ。

 

「よく眠れたか?」

 

友人の呑気な声が響く。

 

わたしは迷ったが、ことの次第を言うことにした。

 

すると友人はこう言った。

 

「この辺は『鶯谷』という場所だ。昔、遊郭があったと言われている場所でね。
もしかすると、何か子供に関するいわく因縁が、あるのかもしれないなあ……」

 

わたしは帰り際に、そっと手を合わせた。

 

柔らかい風が、私の頬をやさしく撫でた。