心霊スポット 怖い話 奈良県

主婦たちがパニックを起こした住宅地

奈良県の端に住んでいた頃の話です。

 

心霊スポットとは違うのかもしれませんが、
異常な地帯だということは住民には有名だったので書いてみます。

 

そこは有名大企業が買い取り開発した土地として有名で、
小高い丘になった大規模の新興住宅地でした。

 

大きな公園がいくつもあり、
若い子供を連れた夫婦らがそこ一帯の建売を購入し住んでいたので
非常に活気のある、有名な住宅地でもありました。

 

ですがいつからか、その住宅地の奥さんたちが変なことを言い始めました。

 

どこどこのおじいさんが発狂しただとか、
変死したのはもう何件目だとか、離婚が何件目だとか、
今度はどこの子供が家出したとか。

 

そんなことはこの大きな住宅地のことなので、
何件か続いたりは普通のことだろうと私の両親は笑っていたのですが。

 

子供だった私は確かに離婚やイジメがやたら多発していることは知っていました。

 

大きな住宅地といっても密集しているわけではなく、
それぞれが高低差を微妙に持って建っているので日当たりでもめることもなく
適度に庭もあるため騒音とかそういったことでもまったくご近所同士で揉めてはいませんでした。

 

どの家も十分な土地を持っていて同時期に同じメーカーで建っていて、
ほとんどが建売なので家で競い揉めるということもなく。

 

なのになぜかそこに住む、主に奥さん方の余裕がまったくないような状態で、
それが子供に伝播しているような雰囲気でした。

 

普通なら「あの人オカルト好きだよね」などとスルーされ徐々に消えるような話だと思うのですが、
やがてその奥さんたちの噂はすっかりその住宅地一帯に浸透し、
ついには、全体でお金を集めて祈祷か風水師(当時は今ほど風水なんて流行ってなかったのにです)を呼びたい、
というところまで話が煮詰まり始めました。

 

そんな我が家も、周りには言わないまでも実は夫婦の仲は当時険悪で、
傍にすむ親戚との関係まで険悪でした。

 

イジメの被害はうちにはありませんでしたが、
しょっちゅう近所の子供らとは多対多の小競り合いをしていたように思います。

 

今ではもうその住宅地はスカスカになっています。

 

もう大半の家庭が子育てを終え、
20年以上経った家を捨てて別の家に越していったからです。

 

それでもまだ数件は売りに出されていますが、
買い手は思うようにつかないようです。

 

というのも住宅地のすぐ傍の、沼地だった場所が埋め立てられまた建売住宅が、
今度はしっかりと密集して建ち始めたからです。

 

近所だった人は、
そこに新たな若い住人がどんどん引っ越してくるのを見ながら言います。

 

自分もあの当時はまさかこんな住宅地になるとは思わないで、
なんて綺麗な場所なのかと思って家を買ったんだよな、と。

 

何が悪かったのかまったくわかりませんが、
我が家の廊下を、知らない人がどんどんまっすぐ通っていくのを昼間何度も私は目撃し、
朝、私の布団の中、すぐ背後に知らない子供が寝ていたこともありますし、
そういった目撃は近所の子供らにも同様多かったです。

 

なぜか目撃は夜ではなく、朝や昼から夕方にかけての話が集中していました。

 

だから家に長くいるおじいさんおばあさん、
そして主婦らがおかしかったのかな?と思わなくもないですが、全然わかりませんでした。

 

子供らだけではなく大人にも目撃談は多かったのですが、
それもまた、噂のせいでの幻覚だったのかももうわかりません。

 

ただ、思いつめたような顔で、
普段は仲がものすごく悪いくせに急に集まって霊だ祈祷だ風水だと話し込みだした奥さんたちが
子供の私は幽霊目撃談より怖かったです。

 

多数の自宅内幽霊目撃情報以外では、
その地区の子供数人が近所で自殺し、近所のご主人数人も自殺し、数人が難病を患ったことは聞きました。

 

でも特別この地区だから多かったのかどうか、などはわかりません。

 

その土地はそのときに誰かがどこかで調べたらしく、
何か問題のある物質が埋まっていたりなどはなかったそうです。

 

しきりに隣の奥さんが、地下に流れていた水がどうこう、と言っていたのを覚えています。

 

地下がどうというより、本当にどうしてあの当時近所の奥さんたちがおかしい感じになっていたのかがわかりません。

 

宗教とかでもなかったんです。

 

冗談でそう言い出した子供の父親が一生懸命調べましたが、これといって結果が出ませんでしたので。

 

私たちが育った住宅地はいまや、あのまま新興住宅地が傍にできなければ、
いずれ廃墟っぽい住宅地となって心霊スポットにされていたのかな、と思うような場所となってしまいました。

 

もう私たち家族もそこにはいないので、次にできた新興住宅地がどうなっているのか知りませんが、
新しい住宅地には何もないといいなと思います。