心霊スポット 怖い話 埼玉県 飯能市 畑トンネル

私が経験した「畑トンネル」での怪異

埼玉県飯能市にある古いトンネルには、
「幽霊が出る」などとウワサされるところがあります。

 

かなり有名なスポットなのですが、
そのトンネルを「畑(はた)トンネル」と呼びます。
「はたけトンネル」が正式名称であるとする説もあるようですが、
「畑トン」などとも呼ばれ、マニアにはかなり愛された、
あるいは今でも愛されているトンネルです。

 

残念ながら現在もう使われなくなってしまいました。
ただ、今も原型はしっかりとどめており、レンガ造りの、なんとも趣あるトンネルです。

 

もう今から20年以上も昔になる学生時代、
自宅の近所だったということもあって、
何度もそのトンネルに行ったことがあるのですが
(当時はいわゆる「旧道」としてまだ生きていました)、
それも一過性のちょっとした流行であり、
大学を卒業して就職するころには、
もう畑トンネルのことなど思い出すこともありませんでした。
もちろん、当時怪異などまったく起こりませんでした。

 

ところが、就職した会社に通うために
その畑トンネルのすぐそばの道を通る必要があったのですが、
ある晩、会社の帰りにその道でなぜか大型のトレーラーが横転してしまい、
警察が「すいません、今この道通れないので、こちらの道から迂回していただきたいんですよ」と
指示した「その道」というのが例の「畑トンネル」へと通じる峠道だったのです。

 

時間的にも真夜中で、もともと山間部のトンネルであったこともあり、
私は強烈な孤独感と恐怖心とをまといながら畑トンに進入して行きました・・・

 

「女の霊」が出るとか「人面犬」の発祥となった
トンネルであるとかいろいろウワサされていましたが、
私はそういう話を信じていなかったものの、
やはりシチュエーションがシチュエーションだけに、
これまで感じたことがないレベルの緊迫感で畑トン内部をゆっくりと走らせました。

 

トンネルのちょうど中間地点でしょうか、明らかにおかしな雰囲気を覚えました。
怪奇現象自体信じていなかったので、そういうことが起こるということ自体を想定していなかった私は、
はじめそれがどういう種類の現象なのか理解に苦しみました。

 

夏、深夜とはいえかなり気温が高かったのですが、
「山の中」という理由とは明らかに異なる冷気が車内に立ち込めました。
そのとき、怖さを紛らわすためにCDを大音量で流していたのですが、
なぜかプレイヤーが突然停止し、CDが取り出し口から飛び出してきました。
もちろん普段そんなことは起こりません。
私は「あっ!」と思わず声を上げました。
助手席に吐き出されたCDが特有の鈍い光を放っていました。
全身に悪寒が走ったことは言うまでもありません・・・

 

その後オーディオは正常に戻ったので、単なる偶然だったのかもしれませんし、
大して怖い話ではないかもしれませんが、実際に体験してみると、
こんなに怖いことはなかったと、今でも思っています。