心霊スポット 怖い話 埼玉県 大滝村 中津川

埼玉県大滝村の中津川林道で

山釣りが好きで、ときおり山の中の小さな沢を見つけては
釣り糸を垂らしたりしているのですが、
その日は友人ふたりと連れ立って、
長野まで釣りに出かけることになりました。

 

埼玉の我が家から長野に向かう直近のルートはふたつ、
ひとつは「ぶどう峠」を超えて舗装路を行くルート、
もうひとつが、ダートの「中津川林道(通称)」を使って
県境の「三国峠」を越えて長野に入るルートでした。

 

中津川林道は夜間通行禁止(当時)となっていたため、
深夜ぶどう峠を越えて舗装路を走り、
早朝から釣ろうという話になったのですが、
ぶどう峠というのは、あの「日航機墜落事故」の直近を越えなければならず、
夜中にそのルートを通るというのはどうしても気が進まず、
中津川林道のルートを選択しました。

 

中津川林道は、夜間になると通行禁止のゲートで道が閉ざされてしまいますが、
友人の話だと、ゲートは手動で上下できるため、
あってないようなものだということで、やはり中津川林道ルートを強行しました。

 

つづら折りというかヘアピンカーブの連続というか、
とにかく夜間の山岳道路は、
精神的にあまりにも厳しいドライブでしたが、
その道中、とてつもない恐怖を経験しました。

 

中津川林道自体約30kmの長さがあり、険しい崖伝いの道なので、
埼玉側の入り口にあるキャンプ場をすぎてしまうと、
基本的に深夜誰かと出会うことなどあり得ませんでした。
ところが、もう三国峠に近い地点で、
赤いジャンバーを身にまとった人(性齢顔不明)を追い越す事態に直面しました。
助手席の友人が生唾を呑み込んだ音が聞こえました。

 

おそらく彼も私も、「見なかったことにしよう」という心境だったと思います。
あたかもふつうの通行人であるかのように、その人物らしき人影を静かにパスして道を急ぎました。

 

しばらく進み、いよいよもうちょっとで三国峠という地点で、
厳しいのぼり坂を上りながらカーブを曲がると、
なんと、そこにはまたしても真っ赤なジャンバーを羽織った、
おそらく先ほど見た人物と同じと思われる人が歩いているのを目撃したのです。

 

まさに居を衝かれた形になり、私はちびりそうになりました。
友人はちびっていたかもしれません。
正直、あれが本物の人間であったかどうかよくわかりません。

 

もうあれから20年近く中津川林道を利用していませんが、
夜間は非常に危険なので、マニアの方でもおすすめできません。